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書評(ビジネス系)

もうムダな努力はやめよう。成毛眞氏が世間のきれいごとに斬り込む。書評『このムダな努力をやめなさい』

投稿日:2016年8月21日 更新日:

書評『このムダな努力をやめなさい』

先日読んだ堀江貴文氏の書籍で対談していた成毛眞氏が気になったので、さっそくネットで探してみた。

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探してみたところ興味深いタイトルを発見し、早速ポチった。

 

読んでみると、過激な発言も多く、さすがに極端すぎでは?と思う意見も出てくる。

しかし、色々なビジネス書を読んできた僕の正直な感想としては「ここまで本音でハッキリ言ってくれると気持ちいい」だった。

 

著者

成毛眞さん

元マイクロソフト社社長。

若いころから「頑張らない」「我慢しない」「根性を持たない」の三原則をモットーに仕事に取り組んできたという。

自分の意見をしっかり主張するというところが、堀江氏と共通していると感じる。ただ、過激さは成毛氏が上回っている。

 

正直、「それを言っては元も子もないではないか」と思う部分もあった。

しかし、エリートである成毛氏の言葉であるからこそ、現実はこうなのだという説得力がある。

「努力をすれば報われる」誰しも一度は聞いたことがある。ただ、そうとも限らないことは何となく分かっているはずだ。

 

そんな、あまり直視しないでいたことに真正面から向き合い、ムダな努力をするなと言ってくれるのが本書の特徴だ。

僕自身は、努力することに意味はあると思っている。著者も努力に意味がないとは言っていない。「ムダな努力」をするなと言っているだけだ。

【】内は本書より引用

【努力には「時間」がかかる。時間がかかるということは、「お金」や「労力」もかかるのだ。そういった「コスト意識」がないと、ムダな努力を重ねてしまうことになる。だから努力も「選別」する必要がある】

努力するなら、価値のある努力をして、結果に結び付けていきたいものだ。

個人的には、自身の努力がムダだと気が付いていない状態が一番まずいと感じさせられる良書であった。

 

本書で印象に残った部分・感想まとめ

①自分が好きなこと・得意なことで本領発揮

著者は、好きなこと、得意なこと、やりたいことで本領を発揮するべきであり、これが成功への最短距離であると主張している。

苦手な仕事を最大限の努力をして取り組んだとしても、それほど身につかない。これこそムダな努力の典型。

苦手な仕事は放っておけばいい。そうすれば誰か他の人が(得意な人)やってくれる。会社組織とはそういうものだという。

 

考えてみれば、自分が得意なことを放っておいて他の誰かに取られてしまう方が生産性が低くなり、ムダな努力の連鎖が起こるといえる。

実際、このように仕事を個人レベルで割り振ることができないからそういうことが起きるのではないかと思うのだが・・・

おそらく「仕事は選べない」と決め込んで、自分の苦手な領域で仕事の努力をし続けることはムダだと言っているのだろう。

 

②人には無限の可能性がある=きれいごと

 【人の可能性は有限だ。育った環境でその人の将来の九割は決まる。まれにトンビが鷹を生む例もあるが、それはごく一握りの奇跡である】

【「今の自分は本当の自分じゃない」「俺は本気を出せばこんなもんじゃない」と思っている人は、自分の親をよく見るといい。中略・・・自分の才能がない世界でいくら頑張っても花は開かない。バラが育つのに適した場所があるように、苔が育つのにもふさわしい場所がある。その場所を早い段階で見つけた方がムダな努力をしないですむ】

 

人には無限の可能性がある。これもよく聞くフレーズだ。個人的には、そう思っている。

視野を広げてみれば、今まで考えもしなかったことを思いついたり、どんなことがビジネスに繋がるかなんてわからない。

 

どんな小さなことからも、大きなことへ変化させ得る可能性があるという意味で、そう思っている。

しかし、自分の才能がない世界で頑張っても花は咲かないというのは、ごもっともな意見だ。

例外もあるのだろうが、それこそ稀な例になるだろう。

 

③ムダな努力をしない人付き合いの鉄則

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  1. 無用な情けをかけない
  2. 期待しない
  3. 見返りを求めない

仮に情けをかけ、面倒を見てあげたからといって、恩義を感じてくれるとは限らない。

それどころか、失望させられる行動で返されることすらある。

 

「情けをかけ(すぎ)る」「相手に期待す(しすぎ)る」ことの問題は、相手が自分の思い通りにならなかったときに許せなくなるところだという。

見返りありきの行動だからだとも言えるが・・・

 

僕には、先輩・後輩・上司に対し色々と意見をし続けたものの、ほとんど行動を変えることができなかった過去がある。

自身の方法が良くなかったと考えた時期もあったが、そうでないと悟った経験がある。

自分は自分、他人は他人。人は変えられないものだと割り切っていた方が、ムダな努力もストレスを溜めることも無くなりそうだ。

 

④上司を操る

社長や上司に振り回されることを愚痴る部下がいるが、それは大きな間違いだという。

【能力のある部下なら、上司のツボを心得てうまく取り入りながら、自分の思い通りに上司を操るくらいのことをする。要するに能力がないから振り回されるのであり、それでも給料をもらえるのだからむしろ感謝すべきだ。】

 

かなり厳しい意見だが、的を射ている。

ただ愚痴を言って過ごしているなら、まさしくムダな努力だろう。

愚痴を言っていないで、上司は部下を振り回す者と考え、行動パターンを予測してうまく操るくらいの気持ちを持ちたいところだ。

 

⑤わかり合えない事実を認める

いくら話合ったとしても、自分の意見を曲げずに聞く耳を持たない人がいる。本当にやっかいだ。

このように、いくら話合っても解決しない問題はいくらでもあることと思う。

無理をして理解してもらおうとするよりも、「わかり合えない」という事実を認めてしまう方がお互いを尊重できるという。

 

【「分かるヤツには一言いってもわかる。わからぬヤツにはどういったってわからぬ」】

著者の上から目線思考

著者は昔から上から目線で人と接しているそうだ。

これは、自分が世の中で一番優秀だと思っていなければ仕事はうまくいかないと考えているからとのこと。

 

マイクロソフト社で働いていた際、自身の意見をビル・ゲイツ氏にキツく反論されたことがあったという。

その際には「いいけど、その方法では失敗するかもよ?」と一言断ってから彼の望むとおりに仕事を進めていたそうだ。

相手を説得したり、言い負かそうなどということはムダな努力

 

わかり合えないという事実を受け入れ、敵を増やさないように一見従順に見える態度をとっておけというのだ。

自分自身が一番と思っておけばプライドも傷つかない。

 

そのための上から目線思考なのだという。上に噛みついて嫌われて左遷されては本末転倒だ。

ものすごい極端な考え方だなと感じるとともに、結果が伴っているだけに、その威力がうかがえる内容だ。

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まとめのひとこと

僕自身は、努力をして何かを達成することに大きな意義があると感じていますが、結果が出なければ意味がないという部分は否めません。

努力をするならばムダな努力はしたくない。誰でもそう考えると思う。

 

本書は自身の生活を振り返り、今後の生活のことも考えるきっかけになりました。

ムダな努力で消耗する人生とオサラバして、正しい方向性で努力をし、結果につながる人生にしていきたい。

 

この度、成毛氏の書籍は初めて読ませていただきましたが、歯に衣着せぬ過激な発言が多く、けっこう衝撃的でした。

それを言っては元も子もないよと思う部分もありましたが、現実を思い知るためには、この本を読んでみると面白いと思います。

成毛氏の書籍は、過激さゆえに、好き嫌いが分かれるかもしれません。僕は好きです。

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