書評 記者・ライターのお仕事と正体がよ~くわかる本 【2016】
記者やライターといえばネタさえ探せて、筆一本あれば生きていける世界。ということで憧れを抱く方が多いそうです。
最近は、ブログの知名度が上がり、大手週刊誌編集者の目に留まったことからライターデビューを果たす方も少なくないと聞きます。
今の時代、SNSやブログの普及により、読者への拡散力では紙よりもWebの方に軍配上がっています。
しかし、当然、誰でもこのように声をかけていただけるわけではありません。そこで自分自身を出版社へ売り込む必要が出てくるわけですね。
つい先日、買った本に知りたいことが書いてありましたのでご紹介します。
著者情報
ジャーナリスト。週刊ダイヤモンド。ダイヤモンドオンライン。朝日新聞出版「dot.」週刊SPA!などに寄稿されている。
本書を読むことで分かること
1章:記者・ライターとして採用(新人時代)
2章:記者・ライターの考え方(ライターの目指すもの)
3章:記者・ライターという生き方(キャリアパス)
4章:記者・マスコミの業務(ワークス)
5章:記者・ライターの私生活
おおざっぱにまとめると
Webライターとは
記者・ライターになるには?
記者・ライターの日常
記者・ライターの原稿料(懐事情)
未経験でも記者・ライターに転職できるか
記者に向いている人とは
など、記者やライターの仕事や、仕事に就くための方法などが全般的に分かるようになっています。
今回は、ブロガーからライターデビューするパターンに絞って記事を書いていきます。
まずはライターデビューできる人、できない人の特徴がハッキリわかれるということが書かれていましたので、ご紹介します。
ライターデビューできる人・できない人の特徴
出版社(雑誌編集者)にはライターデビューを目指す方から、このようなメールが多く届くそうだ。
【はじめまして秋山(仮名)と申します。ライター業を始めたいと思っております。なんでも仕事を頂ければ書かせて頂きます。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。】
このようなメールは
「およそライターになれないライター志望者」が送ってくるそうです。
ライターになれない理由
1、受け身
自分自身の強みをアピールすることができていない。
「なんでも書きます」は、使い勝手がいいような感じがするものの、編集者側としては非常に困るワードだそうです。
2、具体性がない
どんなことが書けるのか、原稿は手元にあるのか、取材は進んでいるのか。それすら分からない。
このプレゼンの仕方では、今までどんなジャンルで記事を書いたことがあるのかが分かりませんね。
3、信用できる材料がない
締め切りを守れる・守れない以前に、完成原稿を仕上げられる人物かどうかすら分からない。
こういったところが大きな理由となっているようです。
書けるジャンルが幅広いということをアピールするはずが、中身がないと思われてしまっては本末転倒。
これでは、門前払いになるのは当然と言えます。一生ライター志望になってしまうでしょう。
ライターデビューできる人の特徴
【初めまして。株式相場に関する書籍企画案のご提案にあがりました。経済や金融の分野でお役に立てます・・・】
このようなメールを送ってくるそうです。
大手経済系版元の編集者は、企画を持ち込んでくる書き手のうち、ライターデビューできる人に共通する特徴を見つけたという。
【こちら側から見てイメージが湧く企画案なり得意分野があれば、その後も執筆依頼をしやすいです。しかし単なる挨拶状だと、これはこれで次につながる可能性はほとんどない。】
【この人は何を書けるのか。どこに連絡すればいいのか。この2つがわかる企画案とプロフィールを持ってくる人はライターとして長く活躍している傾向があります】
【最近、増えているブロガー出身のライターというのは、発信したい何かが明確に第三者に分かる人たちだからです。だからブロガーはライターになりやすい。】
本書を読み解いて分かったこと
ライターデビューのための、「はじめの一歩」を踏み出す
前段階として最低限必要なこと4つ
- 自ら発信したいものがあること
- 得意なジャンルを明確にすること
- 連絡先を明記しておくこと
- 具体的なプランを伝えること
何が書けるのか、どんなジャンルに強いのかが明確であることは最低限必要。
さらに、具体的なプランを伝える方法として、書籍や原稿の企画案、構成案まで用意しておくと良いでしょう。
ブロガーからプロライターになった方の戦略
専門性に特化したブログを書いていれば、どこかの媒体から執筆依頼が来る場合もある。しかし、単発で終わってしまってはプロデビューしたとは言えないという。実際にブロガー出身で女性フリーライターになった方は、待っているだけでなく週に1回必ずメールで企画案を送り続けたそうです。
【企画意図、想定読者、構成案この3つをパッと見てイメージできる企画案を心がけています】
継続して仕事を得るために必要なこと
- 原稿のクオリティを維持すること
- 締め切りを守ること
- 継続して企画を出し続けること
読んでもらえるか分からない企画案だとしても、ずっと出し続けていれば企画を実現する機会に恵まれるということですね。
Webライターの懐事情
Webライターと言っても、いったいいくらくらい収入がとして得られるのかは気になるところですよね。
大手新聞社や出版社のWebサイトで連載をもつ女性フリーライターの場合が例としてでていましたのでご紹介します。
【「1000字までで7000円というイメージです。これは大手雑誌系のWebサイトです。相場は1500文字から3000字までで10000円くらいです。源泉徴収を引かれて9000円くらいですね】
この方の場合、毎日1本どこかのサイトで記事を書いていて、1ヶ月の収入はおよそ30万円ほど。多い時には40万円、少なくとも20万円は確保しているそうです。取材で外出する場合の交通費や取材費は一切出ないとのこと。
ちなみにWebで書いた記事が好評であった場合、媒体によっては1万円から2万円ほどのボーナスがつくこともあるそうです。
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まとめのひとこと
何か発信したいことがあり、記事を書くことを仕事にしていきたい方にとってライターという仕事はうってつけではないでしょうか。
Webライターは比較的自由度が高いために人気が出ているのではないかと思われます。
プロのライターになること自体は、思いのほか敷居が低いようですが、 継続して仕事を得ていくためには努力+αの要素が必要になりそうですね。
実際の業界の事情は分かりませんが、紙媒体が売れない時代になってきていることからも、今後Webライターの需要は高まってくるのではないでしょうか。
そのあたりは、プロのライターの方がコメントをしてくださると分かりやすいですね。良かったらコメントくださーい!
ブロガーからライターを目指す方法以外にも記者・ライターの仕事や実態に興味がある方にとって、本書はオススメの書籍です。
ライターになることを考えている方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。