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ドイツのほとんどの企業は毎年約30日の有給休暇を、ほぼ100%消化し、1日10時間以上働かない。
それでいて経済は絶好調で、日本に比べ労働生産性は1.5倍という驚愕の事実。
はい、これは買い。
もはや読まずにいられない!ということで読んでみました。
「ドイツ人は年間150日休んでも・・・」えっ?1年の1/3以上休んでいるの?マジで!?
(日本の平均は120日と言われています)
もうタイトルを読んだ時から釘づけです。パラパラと本をめくってみると、そんな内容が書かれていました。
最近、ワークライフバランスという言葉をよく耳にします。
仕事ばっかりじゃなくて、プライベートも充実させようよって感じのニュアンスですが、ドイツ人はそれを実現しているなと感じました。
著者
熊谷徹さん。早稲田大学政経学部卒業後NHKに入局。90年からフリージャーナリストとしてドイツに在住。
書評
ドイツで働く人々を間近でみてきた著者だからこそ語れる内容が盛りだくさんの本書。
私にとっては、衝撃的な内容が多かったです。
日本より労働時間が短いのに労働の生産性は高いということは、会社から見れば残業代を余計に払う必要がないため、費用対効果が高い。
個人レベルで見たら残業せず自由な時間を過ごせるなら、時間対効果が高い。
国民性の違いや企業の方針なども全然違うため、完全に同じことをすることは難しそうです。
日本人もドイツ人の良いところを見習っていくと、ワークライフバランスが改善されそうです。
その反面、人によってはストレスが強くなる可能性もあるなとは感じました。
以下に、私が印象に残った部分をまとめます。
印象に残ったところ
【】内は本書より引用
①仕事は人ではなく企業につく
日本人が仕事を休みにくいという理由の一つに「私がいないと仕事が回らない」ということがある。
しかし、ドイツでは、他の社員がすぐに対応できるように書類や電子ファイルを分かりやすく整理しておくことが徹底されているため、ほとんどないという。
だからこそ、有給で連続2週間休むことが当たり前の社会が作られているのですね。
②有給の完全消化を強制する上司
ドイツでは、1月になると大体の人が1年間の休暇計画を立てるそうです。
2週間~3週間の連続休暇をとることが珍しくないため、被らないようにするためです。
ドイツでは、労働法によって、社員の健康を守れるように労働条件を確保する義務(保護義務)があるのです。
休暇をとらせない管理職は、保護義務をおろそかにしているとして上司から勤務評価を下げられてしまう。
だから、ドイツの管理職は社員に有給をとることを促すのだそうです。
だから有給消化率が、ほぼ100%なのですね。
③日本より20%も労働時間が短いドイツ
【2012年の日本では、就業者1人当たりの1年間の平均労働時間は1745時間だった。これに対しドイツは1393時間で、約20%短い。352時間も短いと言うのだ。44日に相当する(8時間労働として)】
数値化されると、すごさが分かりますね。
あくまで労働時間なので、サービス残業や家に持ち帰って仕事をしている時間が含まれていないと考えると、実際はもっと大きな差がありそうです。
④ドイツ人が残業しない(できない)理由
日本にも労働基準法があり、1週間の労働時間の上限が40時間、1日8時間と決まっていますよね。
それでも、それがどれほど守られているかというと・・・疑問です。そうでない企業が多いからブラック企業という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
【ドイツでは、労働安全局(日本の労働基準監督署)が立ち入り検査を行って、企業が労働時間法に違反しているかどうか厳しくチェックを行っている。労働安全局の係官はときおり事前の予告なしに企業を訪れ労働時間の記録を点検する。】
【検査の結果、ある企業が社員を組織的に毎日10時間を超えて働かせていたり、週末に働かせたりしていたことが発覚すると、経営者は最高15000ユーロ(210万円)の罰金を科せられる。悪質なケースになると、経営者が最高1年間の禁固刑を科されることもある。】
これではブラック企業はやっていけませんね。
②でも書いた保護義務があるため、むやみに残業させて体調が悪くなると管理職自身の評価が悪くなることも一つの理由として考えられますね。
まとめ
日本人は世界的にみても、働き過ぎだと言われています。サービス残業も多いですし。
世界で「スシ」「サムライ」「ニンジャ」などのほかに「カロウシ」なんて悲しい言葉が認知されてしまっている現状はどうにかしたいところですよね。
ドイツでの生活は一言で言うならメリハリだと思います。
仕事とオフを完全に切り離して生活することを国民全員が実施している感じです。
実際に成果をあげていることから、きちんと休んだ方が仕事に対する意欲が湧いて、効
率的に仕事ができるということが証明されていました。
ドイツの働き方を見習い、長い時間かけて働けば良いということではなく時間対効果、費用対効果を常に考えてメリハリのある生活をしていきたいものですね!
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ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか (青春新書インテリジェンス)
熊谷 徹 青春出版社 2015-08-04
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