【書評 ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った】
タイトルから勝手に、多読をススメている内容なのかと思ってスルーしていたが、ふと目についたのでパラパラとめくってみた。
すると、本書はホリエモンこと堀江貴文氏が1000冊読んだうち、厳選した42冊を書評しながら紹介していく書籍であることが判明
42冊。果たして、これは多いのだろうか、少ないのだろうか。
彼が、2年半の刑期を終えるまで情弱にならないために厳選された1000冊の本を差し入れしてもらい、その中からさらに42冊を厳選したという。
この42冊は獄中という情報の閉ざされた環境に身をおきながらも、新しい考え方を生み出す力をもたらしたと語っている。
1000冊の中から選ばれた42冊ってどんなもんなんだろうか。無類の読書好きの僕が興味をそそられないわけがなかった。
巻末には書評サイトHONZ運営者の成毛眞氏との対談も掲載。
巻末の成毛眞氏との対談の部分では、堀江氏の本の選定方法や読書のあり方、これからの読書などについて語り合っている。
成毛眞氏の書籍書評はコチラ↓
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もうムダな努力はやめよう。成毛眞氏が世間のきれいごとに斬り込む。書評『このムダな努力をやめなさい』
書評『このムダな努力をやめなさい』 先日読んだ堀江貴文氏の書籍で対談していた成毛眞氏が気になったので、さっそくネットで探してみた。 探してみたところ興味深いタイトルを発見し、早速ポチった。   ...
僕が印象に残った部分・感想
①やりたいことがやれる環境は整った
【】内は本文より引用
【「やりたいことができない」なんて言っていたら、それはもはや自分は情弱だと言っているようなものだと僕は思う】
本書の冒頭で書かれていた一文がグサっと突き刺さった。
堀江氏は、今の時代、ネット(SNS)が普及し、やりたいことを実現するためのモノや機会はいくらでも組み合わせて作りだしたり、手に入れられるという。
最近は、オフィスもシェアオフィスだったり、ほとんど社員が出社しないで働いている企業もあるそうだ。ノマドという働き方も浸透してきている。
そう力強く解説する堀江氏は【新装版 こんな僕でも社長になれた(著:家入一真)】を読んだ際に、改めて自身の考えは間違いないと感じたそうだ。
オドオドしながらも自身のやりたいことを手探りしながら起業していくサクセスストーリーになっていて、勇気をもらえる内容になっているとのこと。
特別な才能が必要なのではなく、本人のやりたい気持ちと適切な情報収集・環境設定さえできれば誰にでもチャンスがあるということだった。
②仕事が一種類しかないのは時代遅れ
よく、転職際に「職場を転々とする人は、どこに行ってもダメだ」などと言う人がいる。しかし、僕はそう思わない。
堀江氏は、たくさん経験した方が刺激的かつ様々な視点が身につく。そして、その相乗効果が何かのイノベーションで突然つながるということが、よく起こるそうだ。
実際、堀江氏は以前はライブドアの社長であった。現在は、タレント・文筆家・ロケット事業立ち上げ・メルマガ発行などなど様々なことを手掛けている。
そんな堀江氏はやりたいことが数え切れないほどあるそうだ。
【僕は「こうなればいいな」って世の中をつくったり、自分が欲しいサービス・モノをつくりたいち、ただただ思って行動している】
その溢れんばかりのパワフルな原動力は「たくさん経験した方が楽しい」というところからきている。楽しいからやっているということだ。
こんな素晴らしい考え方があるだろうか。自身が楽しいこと、欲しいサービスやモノを考えたら、それを現実のものにするために、どうしたら良いかを考え実行していく。
堀江氏の手掛けている事業の多さからも、何かを実現するためには、まず行動せねばならないということが伺える。当たり前のことを当たり前にやる。これが鉄則になる。
③常に何かを「生み出す脳」に
多くの事業を手掛け、やりたいことが山ほどあるという堀江氏、いったいどのようにビジネスモデルを考えているのだろうか。
堀江氏は、新しいビジネスモデルは、条件反射的に考える方がいいという。
【情報が入ってきたら、すぐにビジネスモデルにしてアウトプットする習慣をつける。「この技術があれば、こんなビジネスが可能かもしれない」と、条件反射的に考えていくのだ。それだけで、目の前の風景っも自分の働き方もずいぶん変わるんじゃないか?】
この情報は、新聞・テレビ・ネット・読書などから得られるものを指す。
今の時代、情報に溢れた社会であり、後で考えようとしても忘れてしまうこともある。
だからこそ、の「後で考える」時が永遠に来ないままになってしまいがち。
今は、素晴らしいアイデアを思いついても同じことを考えている人は世界で大勢いる。
それがネットで瞬時に共有されると、アイデアの価値は限りなくゼロに等しくなってしまう。
「後で考えよう」と悠長なことを言っている間に、アイデアの価値がゼロになってしまっているかもしれない。
そう考えると堀江氏のように、インプットした情報をいかにビジネスにつなげられるかを考えていく方が生産性が高いと言える。
④儲けたければ科学
現代は、科学の力で成り立っている。それは疑いようがない。堀江氏は、現代社会は科学の塊であり、生活が支えられているという。
【よく「僕は文系だから」「理系は難しくて」なんて言っている人がいるが、理系を否定することは科学を否定しているようなもの。そしてそれは、科学に使われる人間になると言っているようなものだ】
【仮説を証明するプロセスや、物事を数字で置き換えて理解すると言った理系的な思考と、何が新着情報で、どこまでが旧情報かの土地勘が身につけばいいのだ】
このように考えていくと、社会で起こる科学的発見や発表からビジネスチャンスを見いだせるようになっていくという。
個人的には、科学と聞くだけでも、難しく感じてしまうところだ。
堀江氏がオススメする2冊の書籍
①フェルマーの最終定理(サイモン・シン、青木薫訳)
②暗号解読(サイモン・シン、青木薫訳)
この2冊は理系の感覚を身につけられる、初心者にオススメの面白い書籍とのこと。なんでもこの1冊で100冊分の価値があると言っても過言ではないとのこと。
堀江氏が、太鼓判を押す理由として、内容はヘビーであるものの、ストーリーとしても面白いノンフィクションであることと、翻訳者の青木薫さんの存在が大きいという。
ノンフィクションものの価値は翻訳で決まる。しかし、訳が下手で意味不明になっているものも少なくないそうだ。
そんな堀江氏は青木さんの翻訳書籍であれば即買いしてもいいくらい。と絶賛されていた。
一口に科学からビジネスを考えていくと言われても、ピンとこないので、こういった書籍を読んでみると何かイメージがつかめるようになるかもしれない。
まとめのひとこと
自分自身がやりたいことをビジネスにつなげる。誰しも一度は考えることではないだろうか。
新しい何かを生み出すためには、インプットした情報をいかにしてビジネスにつなげるか日々考え続けること。
それが基本になっているのだなと改めて思わされる内容だった。
本書では、様々なジャンルの本が紹介されていたので、気になった書籍は読んでみたいと思う。
1000冊の中から厳選された42冊は、自分では手に取らないような本ばかりであった。
こういった本を読んでみることで、新しい発見がありそうで、今からすごく楽しみ。
考え方の幅を広げるきっかけを与えてくれた良書であった。やっぱり読書は最高!