まいど、ご訪問ありがとうございます^^カイジ大好き、なまけタイガーです。
著者は経済入門書作家、経済ジャーナリストの木暮太一さん。
私自身は、借金はしたことがなく、今後も大丈夫だと思っていますが、経済に関する勉強はしたことがありませんでした。
本書は、経済のプロが知識ゼロの人にも分かりやすく解説されています。漫画のシーンとリンクさせて話を展開されているため、カイジを読んだことがある人はさらに分かりやすく、納得しやすい形になっています。
本書を読み進めていくと、人間の欲望がどのような理由で高まってしまうか、なぜ宝くじを当てても不幸になるのかなど、もやもやしていた部分が、著者の圧倒的説得力によってスッキリします。
私は、何で借金地獄に陥る人がいるのだろうかと以前から思っていました。
ちなみに本書では複数の金融機関からローンを借りている多重債務者は日本で107万人もいると書かれています。衝撃的な数字だと思いませんか?もはや自分は絶対大丈夫などと言えなくなってきませんか?
他にも自分自身が「カイジ」にならないとは言えないな・・・と、ざわざわする内容まで書かれていました。自分は大丈夫と思っている人こそ、案外大丈夫じゃないのかもしれません。
そこで、カイジのように地下地獄に落ちないためにも本書の要チェックポイントをまとめましたのでご紹介!
お金に関して必要なこと
- 稼ぐ
- 貯める
- 使う
- 守る
が挙げられる。人々は、①と②を重要視し、お金を増やすことに躍起になるが、③・④のことを考えていない方が多いという。
実は、一度手に入れたお金をどのように使い、守っていくのかを考えていかないと、カイジのように破滅の人生を歩むことになる可能性がある。
破滅する人の思考
お金を使いすぎてしまう理由
誰しももっているであろう自己顕示欲。これが高まったために借金を重ねてしまう方がいる。つまり、良いカッコしたい、かっこつけたいとかそういうことですね。
アメリカの研究では、所得の格差が拡大した際に、人々が希望する所得水準が急激に上昇したというデータがある。
つまり、金持ちと貧乏の差が開いたために、金持ちをうらやましいと思うようになって、借金してまで豪華な暮らしをしたくなってしまったということですね。
ご褒美という誘惑
自分自身に対し、ご褒美を用意しているから頑張れるということはあると思う。私も過去にそういったことをして勉強を頑張っていた時期もあった。
ここで問題になるのは「本当に欲しいモノ、必用なモノ」なのかを考えるべきだということ。
たとえば、ご褒美思考でショッピングに行ってしまった場合「何を買おうかなぁーー♪」なんてこともあると思う。これは何かを買うことが目的になっている。
つまり、働いたストレスの解消、頑張ったからという理由付けをして、お金を使う。これを繰り返すからいつまでもお金がたまらない。
限界効用逓減(ていげん)の法則
経済学で言われる法則がある。平たく説明すると、限界効用とは、その時に感じる満足感を表しています。
逓減とは徐々に減っていくことを表しています。
つまり、ヒトの満足感は徐々に薄れていくということを差している法則です。
ちょっと小さい話になりますが、こんな経験はありませんか?
最初の頃は、すごくウマい!と感じていた料理が、何度も繰り返し食べることによって、満足度が低くなって「当たり前」「こんなもんか」と思うこと。料理に関することだけではなく、あらゆることに言える事と思います。
悲しいことに人間は慣れてきてしまうのですね。
結果的に、同じことをしていても満足度が下がるために、よりお金を使ってより高い満足を求めるようになってしまう。
そこには「さらに高価」なもの、ことが存在する。だから借金をしてまで上を目指してしまうということですね。
宝くじの高額当選者が幸せになれないと言われる理由の一つがココにあるのだと感じますね。
仮に3億円当たったら絶対幸せでしょって思ってきましたが、そうとも言えないだろうなと思いますよね。オソロシイ。
上げた生活レベルを落とせない理由
収入は変わらないのに良い生活を求めて浪費を重ねた場合、いずれ破産の時が来ますよね。そうすると、借金をしない場合は生活水準を下げるという方法で切り抜けることになります。これが普通の考え方だと思います。
ところが、ここに落とし穴が。③の法則で考えると容易に想像がつきますが、自分の当たり前の基準が高くなってしまっているから、元の状態を「0」だとして、現在の基準が「プラス30」の地点だとすると、ただ「0」に戻るだけ。
ではないのです。ここが落とし穴。
現在の地点から「‐30」生活水準が下がるわけですから、当然ガクッと「マイナス」になるわけです。本当は戻っただけなのに。
この現実を受け入れられずに借金地獄に陥る方が多いそうです。
サンクコストという考え方
平たく言うと、返ってこないお金はなかったものにするという考え方。
サンクコストは支払い済みの費用のことを差しています。
例を挙げると、
「この映画つまらないけど、お金払ったから最後まで観よう!」
「この料理まずいけどお金払ったから・・・」
「食べ放題だから、元をとるために限界まで・・・」
そう、一度払っているので、どうしようが、もうお金は返ってこないのです。上記例のような考え方は正しい選択ではなく、時間を無駄に過ごすことになる。その時点でベストだと思うことを判断することが正解になる。
これは、自分自身が相当やってしまっている。
どうしてもセコイんでしょうね、その考えが染みついてしまって、ベストな判断ができていないことが多いので改めたいと思う。
機会費用という考え方
他のことができなかったことにより、損をした額のことを差します。
例えば、時給1000円のバイトを1時間するか、パチンコに行くかを迷った場合。同時に2つはできないので、パチンコ5時間行ったとします。
多くの人はここで、今日の収支はマイナス1000円と考えるが、実際は5時間バイトすればプラス5000円稼げた。つまり、「バイトに行く」と言う行動と「パチンコに行く」という行動で6000円の差がある。
この考え方は、もっているけど真剣に考えなければいけないことだと思う。何かを買う時、あっちの店の方が安いからと頑張って遠くまで出向くとする。
交通費はかからなかったとしても、その失われた時間で何を生み出せたかを考えるべきだと感じますね。
ひとこと、ふたこと
私にとって、カイジは大好きな漫画です。それは、非現実的だと思っていた部分があるからというのもあると思います。ところが、全然、そんなこともないということが分かりました。
人間の欲望には限りが無く、オソロシイものだと感じさせられました。
経済のことを全然、勉強したことがない私にとって、お金や時間の価値の考え方、お金との付き合い方をじっくり考えさせられる良書でした!
明日はあなたが「カイジ」になってしまうかもしれませんよ。
カイジのように地獄に落ちないためにも、本書を要チェックや‼