書評:66冊目 ポジティブ会議 松岡修造×茂木健一郎
地球温暖化の原因と言われる松岡修造氏とオワコン発言で炎上した脳科学者・茂木健一郎氏が「ポジティブ」をテーマにした会議という名の対談行い、まとめた書籍です。
書評 ポジティブ会議 感想
基本的には松岡修造氏の変わった考え方や行動に対して茂木氏がツッコんだり、脳科学的な見地から意見を述べるというスタイルの書籍になっています。
マインドフルネスの考え方に触れたりしながら、修造氏の考え方がいかにポジティブなものかということが分かります。
松岡
「僕はもともとネガティブなんですよ」
茂木
「そもそも脳は、ネガティブとポジティブを区別できないからね」
このような感じで、ポジティブをテーマにして議論されている感じです。
●あなただけにそっと教える要チェックポイント●
①脳はネガティブ・ポジティブを区別できない
茂木
「マイナスを根絶やしにするポジティブは良くないからね。マイナスとプラスは表裏一体。そもそも脳は、ネガティブとポジティブを区別できないからね。これは、最先端のポジティブ心理学の常識」
修造
「緊張してきた。よっしゃー!」でいいんですね。
茂木
「そうそう。エネルギーはネガティブな感情とポジティブな感情が一体になって発揮されるからね。」
脳はネガティブとポジティブを区別できないというのは意外な言葉でした。
言葉にせよ行動にせよ、結局のところそれを判断しているのは自分自身ということなのかな。
②自分を質問攻めにする
修造
「僕は、迷った時は自分を質問攻めにするようにしてます」
茂木
「最期は自分の心に聞けってこと。自分と対話するってそういうことだから。調子が悪いなぁと言っている人って実は、自分がいまどう感じているか把握できていないことが多いんだよね。」
近年、マインドフルネスがすごく注目されていますが、集中する目的以外にも自分自身と向き合う時間をつくるということは非常に大事なことですね。
自分自身が何を考えているかを考える時間を定期的にとるといいですね。
③ネガティブがあるからポジティブな感情も強くなる
茂木
「宇宙空間での飛行技術に“スイングバイ”というのがある。天体の公転運動を利用して、惑星探査機などのスピードを加速させること」
つまり、ネガティブな感情の強さを利用してポジティブな感情を加速させることができるんだよね。
これはあくまで、ネガティブな考えが浮かんだらそれをポジティブな考え方にとらえなおして変換した場合の話だとは思う。
とはいえ、ネガティブな考え方もできる人は反対に超ポジティブにもとらえることができるということになる。
ネガティブな記憶や経験もポジティブに変換してしまえばプラスにできるということですね。
④冷静さを失った時は富士山!
修造氏は試合などで冷静さを失った時は富士山を思い出したり、大好きだったおばあちゃんを思い出して冷静さを取り戻していたという。
これは脳科学の専門用語で「内部モデル」というもので、自分自身にとってそういった存在やモノを持っておくとネガティブな感情が浮かんできてもポジティブに切り替えることができるということ。
修造さんは、けっこう緊張しやすい性格のため、人前で話せなくなった時は富士山を重み浮かべるそうです。
修造さんいわく「富士山は僕らしさを取り戻す最強の存在」だそうです。
心の支えになってくれるようなモノであれば、何でもよいということですね。
⑤脳は●秒で意思決定している
修造氏は以前から5秒でメニューを決めることを心がけている。これはテレビでも書籍でも言っているので知っている人も多いかもしれません。
実際に脳が意思決定するのに必要な時間は2秒ぐらいと言われている。
実験より
ある大学の授業を1学期の間、ずっと受け続けた生徒と、その授業の様子を2秒だけ見せた生徒に対し「この授業がどれくらい面白いか」という評価をさせたところ、評価がほぼ一致した。
この実験から分かることは、ヒトは2秒の間にものすごい量の情報を処理して判断しているということ。
人の第一印象は6秒で決まるなんて言いますが、実際は2秒でおおむね判断して、声や話し方など他の要素も観察して6秒なのかもしれませんね。
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まとめ
ハッキリ言うと、松岡氏の変わった行動や考え方自体は過去の書籍に書かれていたものが多いです。
松岡氏の疑問や考え方に対し、脳科学者の茂木氏がどのようなツッコミをするかを楽しむ書籍と感じました。
サラッとした内容になっているので、1時間くらいで読めてしまいます。
脳科学者の意見が入り込んでくるところは、やはり面白い点だなと感じました。
修造思考を脳科学的観点から解説している書ということになります。気になる方は要チェックや!