まいど、ご訪問ありがとうございます。
無類の読書好き、なまけタイガーです。
書評 それでも「いい人」を続けますか?【2014】
僕は「いい人」であることは、良いことだと思っている。
「いつも感じのいい人」や「いつも愛想のいい人」は「いい人」としてステキだ。
一方で問題に思うのは、相手にとって「都合良い人」や「どうでもいい人」いわゆる「お人よし過ぎる人」という意味の「いい人」になっている場合だ。
【】内は本書より引用
【「いい人」を抜け出すと、人生、仕事、恋愛、家庭生活のすべてがうまく回りはじめる。信じがたいだろうが、これが現実である】
本書には、「いい人」をやめて幸せになる方法が色々と紹介されている。
しかし、簡単に実行できるものから、かなり難易度が高いものまで幅があり、
根っからの「いい人」には刺激的な内容になっている。
本書の内容を生活に取り入れることで、「いい人」であるために犠牲にしていた自己を解放することができるだろう。
本当に、お人よしな自分に嫌気がさしていて、現状を変えて少しでも楽になりたいと思う方にオススメの書籍だ。
著者による力強いメッセージが多く、ズバリ刺激強め!という感じだ。
印象に残った部分
①いい人をやめて幸せになる方法
【いい人をやめたければ全員に好かれようとは思わないことだ。中略・・・あなたを批判したり、バカにしたりする少数派の顔色を気にして、クヨクヨしたり、無駄に下手にでたり、委縮してしまう行為と無縁になるからである】
これがいい人をやめて幸せになる方法だ。
著者は、嫌われる恐怖に悩まされるくらいなら、7割の人に好かれれば良いと考える方が建設的だという。
どんなに優しく八方美人的に人と接していたとしても、全ての人に好かれることは難しいと感じる。
現実には、どうしてもウマが合わない人もいるのだから、この方が断然良い考え方だ。
人の価値観は様々だから全員と仲良くなれるはずがないと。
②会話の2割は本音を入れ、自分をさらけ出す
大人になると社会の中でうまくやっていくため、常識の範囲で発言するようになっていく。
常識はずれな行動はせず、周囲と摩擦を起こさぬよう自分自身をコントロールする。
ところが、それらを意識しすぎると本音を語らなく(語れなく)なっていくものだと感じる。
著者は、自分自身を隠し、本音を語らないでいることで「人当たりが良すぎて信用できない人」になってしまうという。
頑張って周囲に気を配って自分をコントロールしたはずが、信用されないのでは本末転倒だろう。
著者自身が、実際にこういった経験を通して、会話の2割ぐらいは本音を入れるようにしてみたという。
これをするだけでいい人をやめることができる。
実際に、少々のアクを周囲に振りまき、自分を解き放ちつつ「好かれる」という状態をつくりだせるのだという。
自分を出したことで離れていく人も当然いるが、もともと合わない人が早く分かっただけに過ぎないと考える。
2割出したくらいで離れていく人とは、そもそも性格が合わないのだろう。
今、テレビに引っ張りだこの芸人、有吉さんや堀江貴文氏などは、本音をズバッと言っていて聞いている人たちの共感を得ているから絶大な人気を誇っているのだと思う。
極端な例かもしれないが、自分の本音をしっかり言うということは大事だと感じる。
③人間関係のルールをスポーツのルールで考える
人間関係はフェアでなければならないのに、自分には相手にクレームを言う権利がないと思ってしまっている人がいる。
【あなたには、自分を傷つけたり、周囲に不快な思いをさせる言動にイエローカードを出す義務がある。】
特にプライベートにおいて、このように相手に対してイエローカードを出し取り下げる必要はない。相手が気分を害すようなら、最初からフェアな関係ではなかったということ。
このように立ち回ることができれば、お人よし人生から解放される。
著者は、この方法をとり続けたことで、よりわかり合えた人と、決別することになった人がいるという。
結果的に、それをしたことでストレスを感じない日々を送ることができているそうだ。
僕も、本当は嫌だけど、友人に気を使って嫌だと言えなかった時期があった。
結局のところ、自分が嫌だと感じているのに言えない状況を続けることはストレスだ。
イエローカードを出すことで、友人関係が壊れ、付き合うことが無くなってもいいと思えるなら使ってみると良いと思う。
そもそも、それくらいで壊れる関係なら、たいした関係性ではなかったということになると思う。
人付き合いに疲れている人必見!青木真也の空気を読まない生き方の理由が明らかに!
④休暇を死守しよう
会社のために無理して働いてしまう(休めない)という経験が、一度はあるのではないだろうか。
僕がいた会社でも休暇がなかなかとりにくいシステム作りをしてくれていたので、苦労した経験がある。
近年、過労死が問題になっている。外国では、「スシ」「サムライ」「カロウシ」などと日本語が認知されているほどだ。
また、精神的な病も社会的問題として注目を集めていることからも、休暇のとりにくい会社が日本には多いのだと感じる。
【一時の人間関係の気まずさや、白い目に負けて、大切な健康を失ったり、やりたいことを我慢することは「人生の敗北」を意味する。人間性を回復し、心をいやす休暇をとるためにしっかり戦ってほしい。】
【一回でも有給休暇を申請すれば「休みをとらない」という流れを壊すことができる。一度新しい流れができれば、それは放っておいても自動的にしばらく続く。二回目以降は驚くほど取得しやすくなるはずだ。】
僕自身の経験であるが、一度、流れを変えるような出来事を起こすと、次はハードルが下がっていることがあった。
おそらく「そういう人」というレッテルが貼られた状態になったのだろう。
実際は、職場の状況を見て頼み方なども考えたうえで行動する必要はあるが、自分を犠牲にしてまで働いてしまっては身を滅ぼしかねない。
そもそも有給休暇の申請は通常、拒否できないものであるから、勇気をもって休もう。
⑤「少し考えさせて」と即答する癖をつける
その場の雰囲気や勢いに負け「はい、分かりました」と言ってしまったために不利な思いをすることがある。
そんな方は「はい!ちょっと考えさせてくださいね!(笑)」と反射的に笑顔で返答してみることで、いい人にならずに済むという。
誰かと話す場合、事前に「少し考えさせてください」と即答する準備をしておくと良い。
一度考えさせてもらうことで、損をしないような答えを出せるからだ。あらゆる場面に通用することだと感じる。
まとめのひとこと
近年、「いい人」すぎて損をしてしまう人が多いように感じる。
例えばSNSのやりとりに義務を感じて疲れてしまったり、付き合いたくない人とも連絡を取り続けたり。
極端な例では「いい人」をやめられなかったばっかりに自殺に追い込まれてしまう事件も起こった。
「いい人」であり続けることが不利益になるようなら、そんなナンセンスな話はない。
どうせなら「都合いい人」や「どうでもいい人」ではなく、「感じのいい人」や「愛想のいい人」になりたいものだ。
「いい人」で損をする人生と本気でオサラバしたければ、本書を読んでみると人生を変えるきっかけになるだろう。