まいど、ご訪問ありがとうございます。無類の読書好き、なまけタイガーです。
ホンマでっかTVでおなじみの心理学者、植木理恵先生の著書です。東京大学大学院教育学研究科修了後、文部科学省特別研究員として研究を行ってきた方です。
僕は心理学が好きなのと、植木先生が好きなので著書を読んでみることにしました。イラストが多く、薄いので読みやすそうな本書から買ってみた。
柔らかい物腰でありながら、しっかり自分の意見は述べる。澤口先生と頻繁に意見が衝突しても一切引かないところが魅力的ですね。
行動心理学とは
心理学というと、有名な心理学者としてフロイトやユングという名前を聞いたことがあるかもしれません。
彼らが研究したものが「自我」・「無意識」といった目に見えないもの。
一方、行動心理学は仮説・実験・検証に基づいて理論を組み立てていく科学的なもの。
つまり何千人規模のアンケートや実験室での行動パターン調査などを行って導き出したものということですね。
【】内は本文引用
著者の言葉
【他者を読み解く足掛かりとして、他者のコントロールから身を守る手段として行動心理学を活用してください。】
印象に残った部分と感想( ・`ω・´)
①名前を呼び合わないカップルは別れやすい
別れるカップルは互いを名前で呼ばないそうです。
カリフォルニア大学のチャールズキング博士による実験
55組のカップルを調査した際、お互いに相手の名前を呼び合わないカップルのうち86%が5カ月以内に別れていたそうだ。
相手の名前を呼ぶということは親近感を示す以外に、信頼していることや、大事に思っていることを示すことも有効です。
僕はできるだけ「キミ」や「あなた」と言わないようにしています。一度しか会ったことのない方や、会ったばかりの方でも名前で呼んでもらえると単純に嬉しいですよね。
この実験はカップルについてでしたが、「名前で呼ぶ」ということは、大事だと思いますね。
②3回以上繰り返すと、相手はその気になる
相手をその気にさせたかったら3回以上同じようなフレーズを繰り返すことが良いという。
仮に1回だけ「キミは社長候補だ」と言われたとしても、信じられない。
ところが
2回目「社長になっても変わらず頑張ってくれよ」
3回目「社長になったらどうする?」
と繰り返し言われていると、次第に「俺は本当に期待されているのか!」と思い始めるという理論。
ポジティブな内容であれば、繰り返し言われることでイイ意味で暗示にかかるということですね。
植木先生は、このテクニックが振り込め詐欺に使われているから被害が後を絶たないということを指摘されていました。恐るべき効果ですね。
③謙遜されたら即、再否定が好感を得る
日本人は謙遜する人が多いですよね。ホメられて素直に喜ぶ人の方が少ないのではないでしょうか。
「いやいや、全然そんなことないですよ」
こういったセリフが定番ですが、まるで儀式のようにすら感じられます。
例
自分「●さんは、いつも面白いですね」
●さん「いやいや、そんなことないですよ」
自分「そういう謙虚なところを尊敬しているのですよ」(再否定)
ここで再否定をしないと相手の否定を認めたことになってしまいますし、直後に再否定する効果は高そうです。
植木先生によると、この相手の否定の直後の再否定は自尊心をくすぐるため、相手は非常に気分が良くなってくれるそうです。
異常に持ち上げられれば気分が悪くなることもありますが、ふつう褒められて気分が良くない人は、いないことですよね。
④ポポネポ
相手の心を掴み、また会いたいと思わせるために使える会話テクニックが「ポポネポ」の構成で話すというもの。
「ポ」=ポジティブ
「ネ」=ネガティブ
つまり、「ポ→ポ→ネ→ポ」という順で話していくということ。
最初のインパクトはかなり大事なので、最初にポジティブな点(自分の良いところをアピール)
しかし、「ポ」のゴリ押しをしても逆効果になるため、会話の中で「ネ」を入れ込むことで相手の信頼を得やすくなる。
家電量販店等で説明を受けていてもそうですが、良いところ聞かされると売るためにいいことしか言わないんじゃないかと心配になるのと同じ感じですかね。
相手の心を掴むためには、良い面と悪い面の二面性提示する方が効果的。
まとめの一言
僕は心理学の本が好きで良く読む方なので、すでに知っている内容が多かったという印象です。
本書は実験データが豊富に載せられているため、内容の信ぴょう性を高いと言えます。
また、イラストが多いので、すごくサラサラと読み進めやすいです。
本書を読み終えても、他人の行動や心が読めるようになるわけではない。
ただ、「必ずそうなる」とは言えなくても、「人は、こういった状況では、こういう行動を示す傾向にある」と知っておくだけでも、価値があると感じました!
30分でマスター! 植木理恵の行動心理学レッスン
植木 理恵 宝島社 2013-06-07
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