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無類の読書好き、なまけタイガーです。
心理学好きの僕がオススメの書籍を紹介します。ホンマでっかTVでおなじみの心理学者、植木理恵先生の書籍です。
ちょうど出版されたばかりの本があったので買ってみました。
本書は職場や恋愛での人付き合いの仕方に始まり、心のセルフケアまで幅広いテーマでまとめられています。
また、イラストが多く、1項目が見開き2ページで完結する形なので非常に読みやすい。実験データも盛り込み、分かりやすくまとめられているところが特徴です。
Chapter
1ツールとしての心理学
2職場で使える心理学(人間関係編)
3職場で使える心理学(スキルアップ編)
4職場で使える心理学(会議・交渉編)
5職場で使える心理学(セールス編)
6恋愛で使える心理学(出会いとアタック編)
7恋愛で使える心理学(交際編)
8恋愛で使える心理学(恋愛トラブル編)
9元気になる心理学(悩み解消)
10心の闇の心理学(様々な障害)
11トラブルから守る心理学(自己防衛の知識)
心理学を学ぶことで得られること
【】内は本文引用
【人は、どういう状況で何を考え、行動し、成長していくのか。集団はどういう状況でどう動く者なのか。男と女はどう違うのか?こうした心の動きや法則がわかると、様々な場面で、役立てることができます。】
【例えば難しい人間関係や、ビジネスでの交渉、恋人とのやり取りなど、他人の心がわかれば、コミュニケーションを円滑にし、様々な駆け引きに悩まされることも無くなるでしょう。】
書評
心理学者が書いた本は色々とありますが、これほど幅広く、かつ読みやすくまとめられている本にであったのは初めてでした。
心理学に興味がある方は、まずこれを読んでみることをオススメします。
「職場で使える心理学」では、自身の印象を良くする方法に始まり、上司・同僚・部下とのうまく付き合う方法からスキルアップにつながるテクニックまで。
「恋愛で使える心理学」では、女性を落とすコツ、合コンでの勝率の上げ方、好意をもたれやすくするテクニック、交際後に関係を長続きさせるコツなど。
その他にも、社会的問題になっている不倫やDVが絶えない理由も心理学から理由を解説しています。
「元気になる心理学」では幸福になれる考え方、不満やイライラから抜け出す方法、ウツや神経症を遠ざける考え方など。
「心の闇の心理学」この章では、最近、かなり注目されるようになってきた大人の発達障害や、自殺、不安障害、自傷行為などについても触れられています。
「トラブルから守る心理学」では、平気で迷惑行為をする人の心理、モンスター化する人の心理
炎上・ネット中傷が減らない理由、振り込め詐欺・マルチ商法にハマる心理などに触れられている。
印象に残ったところ厳選まとめ( ・`ω・´)
①第一印象を良くする方法
第一印象はかなり大事です。人は見た目が9割という本が話題になったように、外見に気を付けることは当然として、その他に気を使うべきところはどこか。
心理学用語で「対人認知」とは、相手がどういった人かを推し量ること。その過程で断片的な情報から全体の印象が形成されることを「印象形成」という。
印象形成の実験
2人の架空の被験者に対し、次のような特徴を読み上げた。
①知的
②勤勉
③衝動的
④批判力がある
⑤頑固
⑥嫉妬深い
Aさん①から⑥の順に
Bさん⑥から①の順に
結果
Aさんの印象:多少欠点もあるが、有能な人物と評価
Bさんの印象:欠点があるため、能力を発揮できない人物と評価
同じ内容でも評価がこれほどまで違うというのは衝撃です。
印象形成には、最初ものが影響を及ぼすというルールがあり、これを「初頭効果」という。
この第一印象の威力はかなり強いもので、一度イメージが固まってしまうと、そのイメージを壊すことが難しくなってしまうということも指摘されていました。
こう考えると、就職活動の面接や初対面の方とお会いするときの印象は最初から魅力全開で行った方が良いということですね。
特に面接などでは、謙虚すぎる姿勢はマイナスになる可能性が示唆されていました。
②心象を悪くしないで上手に断る方法
仕事をしていると、急に残業を頼まれたりすることありますよね。自分の仕事でいっぱいいっぱいだったり、プライベートの用事があるときは上手に断りたいところ。
そんなとき有効なテクニックは
条件付き賛成話法
相手の依頼に条件をつけ、結果的にことができる。
「●時までなら、残業できます」
「明日なら、残業できます」
イエス・バット法
条件付き賛成話法の順序を逆にしたテクニック。
「残業できます。でも、●時までです」
「残業させていただきたいのですが、明日ではダメでしょうか」
先に相手に肯定的な返事をすることで、心象が悪くなりにくい。
いつもでは仕事になりませんが、断らざるを得ない状況においては、こういったテクニックが有効になりそうです。
③多数意見で納得させる
集団の中にいると、違うと思っていても自分の意見を殺してしまうと場合がありますよね。
周囲の意見に合わせた行動をとることを「同調行動」という。
実験
7~9人のグループで検証
基準となる線Aに対し、その他B~Dの3本からAと同じ長さの線を選ぶという実験。
1人で選んだ際は99%の正解率だったが、被験者以外を全員サクラにしてわざと不正解を選ばせた場合、正解率が68%に下がるという結果が出た。
プレゼンや会議で自分の意見を通したいと思った場合には、この同調傾向を利用する
ことで説得力を高められる。
数値として「8割の方がこう考えています」のように、大多数を味方につける方法が有効となりそうです。
反対に、この同調傾向を切り崩す方法
自分自身が少数派意見の場合、信頼されているリーダー的存在の人に意見してもらうことで、「あの人が言うなら」と多数派の意見を切り崩していける。(ホランダーの方略)
④不倫関係から抜け出せない理由
最近、不倫に関するニュースが多いですね。やっぱり文化だから仕方ないのでしょうか。
不倫はいけないこと、分かっているのになぜ抜け出せないのでしょうか。
人は、限定や禁止に対して弱いということが挙げられる。僕も限定商品にはめっぽう弱いです。
心理的リアクタンス
「やれと言われると、やりたくなくなり、やるなと言われるとやりたくなる」(反発心)のこと。
自己効力感
人には、自分でやろうと思えばやれるという自己効力感がある。これは行動を禁止されることで低減してしまう。
禁止されている不倫をすることでこの自己効力感の回復を図ろうとしてしまうとのこと。
こういう前提があったうえで、パートナーと心身の距離があったりすると、浮気相手との関わりが楽しくなりすぎてしまうということなのかもしれませんね。
島田紳助氏は浮気しない人は世界に5人しかいないと言っていましたが、たいていの人は、浮気をしうるということを肝に銘じて気をつけねばなりませんね。
まとめのひとこと
僕の印象では、心理学系の本は「職場での上司との付き合い方」や「ブラック交渉術」のような、一つに特化して書いてある本が多いです。
そんな中、本書は幅広くまとめられており、イラストが豊富なので非常に分かりやすい。
心理学系の本を読み漁っている人はともかく、心理学に興味がある方にとってはすごく良い書籍だと思います。
心理学系の本としては、かなりオススメ出来る本です。
図解 使える心理学 (図解 7)
植木 理恵 KADOKAWA 2016-05-26
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