書評:会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業 新井一
無類の読書好き、なまけタイガーです。
朝晩30分で起業という面白いタイトルの本を発見したので読んでみました。
会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業 著者
新井一(あらいはじめ)さん
1973年生まれで10000人の起業をプロデュースした「起業のプロ」。
会社員のまま始める起業準備塾「起業18フォーラム」主宰のほか、インターネットからの集客術に特化した起業家向けマーケティング支援などを行っている。
高校・大学と海外のスクールに単身就学。帰国後、日本の企業に就職するも、さまざまな失敗を繰り返す。
社会になじめず、会社になじめず、自分の居場所を探して15年間会社員をしながら事業を続け、独立後は「起業のプロ」として起業家を育てる。 特徴は「人生を変えたい」と願う会社員はもちろん、自立を目指す主婦からニート、フリーター、落ちこぼれまで、起業とは程遠いと思われがちな人材を一発逆転させてきたこと。 マスコミにも多数登場し、会社員のまま始める起業準備法を公開。
【自分を変えたいと思っていても、起業したいと思っていても、行動が伴わなければ頭でっかちになるだけです。やがて、「自分には難しい。よく分からないし、どうせうまくいかないだろう」と見事にやらない理由を見つけてしまいます。そして、そのままフェードアウトしてしまうのです。】
【しかし、冷静に考えてみてください。難しいと思うのなら、なぜ、もっ
と簡単にしようと思わないのですか?なぜ、正しい知識を得ようとしないのですか?】
本書のメッセージ
将来的には『起業』してみたいけれど、今の仕事を辞めてまで起業するのは自信がない。 そんな方は、会社員をしながら自分の考えたビジネスを試してみて、うまくいくようだったら起業しよう。
まずは平日の朝晩30分と週末だけ自分の会社を運営する方法から始めてみる方法が具体的に書かれている。
また、これなら自分にも起業できそうだ!とモチベーションを高めてくれるような内容になっている。
要チェックポイント紹介
あなただけに、そっと教える要チェックポイント
①会社を辞めずにはじめよう
起業というと、難しそう・大変そうという印象が強く尻込みしてしまう方も少なくない。その上、周囲の人からは「やめておけ」と心を惑わす言葉をかけられやすい。
こういう方たちはドリームキラーという存在で、起業のための一歩を踏み出させないようにしてくる邪魔な存在といえる。
また、人は基本的には変わりたくないという考えを潜在的に持っていることが多いため、なかなか一歩を踏み出せずにいるパターンが多い。
そこで著者は夢を叶えるための一歩を踏み出す方法として「会社を辞めずに朝晩30分を使って、副業からビジネスを始めて軌道に乗ったら起業する」ことを推奨している。
確かに、収入の見通しも立たないのに会社を辞めて独立するとなるとリスクがありすぎて怖すぎる。
この状態で起業に踏み切れるとしたら相当に考えているか、相当な能力やセンスがないとうまくいかなそうです。
まずは副業から小さく初めて、収入が安定してきてから起業するなら現実的と言える。
②選んではいけない副業
時間の切り売り型の副業を選んではいけないというもの。
具体的には、自分自身がやらねばならない仕事としてコーチングやカウンセリングなどは代表と言える。
「あくまで本業があっての副業である」ので、自分の時間を使って労務提供でお金をもらうことはオススメできない方法となる。
③雇うビジネスを考えよう
「自分自身が働くのではなく、雇い・仕組み化してしまうこと」
例)コーチングをテーマに考える
自身がコーチングをすることはあっても、あくまで一時的なプロセスでありゴールにしてはいけないということ。
自らするのではなく、クライアントがいないコーチとクライアントを結び付ける紹介サービスを提供し、紹介料をいただくビジネスにしてしまう。
仕組みを作ってしまえば朝晩30分の時間で問い合わせに対応したりブログを書いたりして収益を上げることができるというもの。
④朝晩30分起業のためにいきめなければならないこと
1予算
今の時代はインターネットがあるため、ビジネスを始めること自体にあまりお金がかからない。とはいえ、いくらまでなら使って大丈夫かは決めておくことが大事。
2期間
諦めなければ終わりが来ないと言えば聞こえはいいが、その考え方ではダラダラと時間を過ごして結局、起業できないということになりかねない。
具体的な目標を立てることで行動にメリハリがつく。
3出口
こういう事態になったら撤退する、もしくは一時的に副業を中止するというラインを決めておくと安心。
⑤自分が何をしたいか書き出す
起業したい人こそ、まずは「何がしたいのか」、「自分ができることは何なのか」「何のためにしたいのか」を徹底的に考える必要がある。
この考えがビジネスアイデアに繋がっていく。
そのために、まずは「やりたいこと」を書いていく。
【あなたのやりたいこと、なりたい姿を考えるとき、一からすべてを考える必要はありません。むしろ、それは避けるべきです。あなたがお手本にしたい人、既に成功している人がやっていることを真似する方が、よっぽど効率よくまとめることができるからです。】
⑥「好きなこと」を書き出す
誰しも好きなことの1つや2つはあるものだ。
好きなことを書き出せたら、「やりたいこと」と繋げられるように考えてみる。
好きなことの何が好きなのだろうかと真剣に考えてみる。
例)マラソンを例に考えると
達成感
爽快感
疲労感
何も考えずにいられる時間
色々な要素があり、何が好きな要素なのかを考えてみると、やりたいことに要素として組み込みやすくなる。(マラソンをしながらパソコンを教えるといったトリッキーなビジネスという意味ではない)
⑦得意なことを書き出す
得意を2つに分けて考える。
1、趣味や仕事で身につけたスキル
いつも使っていて、人よりちょっと上手にできると感じるスキルのこと
2、生まれつき上手にできること
練習したこともないのに、何の苦労もなくできてしまって他の人から喜ばれたり、驚かれたりすること。
【自分で意識をしたことがないけれど、なぜか人よりちょっと上手にできてしまうことや、自分でも気づかずに知らず知らずにやっていることが、あなたの「才能」です】
スキルと才能を合わせたものは「強み」になり、ビジネスのコアとなる。
⑧大きな夢を小さく分割して考える
夢は大きい方がいいとビジネス書には書いてあることが多い。しかし、著者は夢が大きいほど行動できなくなると言っている。
【副業から小さく始めるビジネスでは、まずは商品をつくり、最初の1円を稼げる体制を整えることが、目の前の一歩になります。】
まずは、大きな目標を立てるにしても、その目標を小さく分割し、ごく小さい目標から達成するようにしていくことが現実的な起業の第一歩となる。
⑨時間のコントロールができるビジネスを作る
会社員のままビジネスをするために「そのアイデアは朝晩30分の時間で準備をして育てていけそうか」をポイントにする。
朝晩30分で徐々に準備をすすめ、整ったらビジネスを進めていく、時間が足りないのであれば休日の半分を上限として使っていく。
このようにして「無理のない範囲で行う」ようにしなければならない。無理をしなければできない仕事は本業に支障がでるため、やってはいけない。
⑩インターネットを最大限活用したビジネスにする
朝晩30分の作業では難しいことだったとしても、インターネットを最大限活用することで実現が可能なビジネスに加工することができるという。
⑪ビジネスをつくるための4つの切り口
1、知識の提供(ノウハウ系)
自分の経験をもとに、伝えたり教えたりするビジネス
例)うつ病の経験を活かしたカウンセリング業
2、ハコ・機械の提供(スペース・チャンス系)
テーマを決めて人を集め、条件でマッチングしたりイベントを開催するビジネス
例)友人の集まりや、飲み会の幹事を引き受けることが多い人に向いている
3、モノの提供(プロダクト系)
手に触れるもの(データでもOK)を作ったり仕入れて販売する
例)ネットショップ、オークションなど
4、技術の提供(スキル・サービス系)
自分が得意なこと(身についているスキルを用いて)やってあげることで、お客様の悩みを解消するビジネス。
スキル×才能が組み合わさった何かしらのビジネスを考えられると強い。
例)お金に関する知識が豊富(ファイナンシャルプランナー)×文章を書くことのが好き
お金に関する記事を書くライターとしてビジネスを始める。
まとめ・感想
本書は、おおざっぱにでも企業をしてみたいと考えている人に読んでみてほしい内容だった。
起業をするために必要なこととは、様々な知識をインプットすることや、貯金しておくことなども当然考えるべきであるが、それ以前に一歩を踏み出すことが非常に重要となる。
そのための最初のステップを踏み出す準備として本書を読んでみるとスムーズにモチベーションが高まり、起業へ向けていけることと思う。
いかにして会社員のまま無理なく副業し、起業に展開するかということが具体的に書かれている。
小難しいことばかりが書かれているわけでなく、非常に内容が分かりやすく、かつ具体的で素晴らしい書籍であった。
起業に興味がある方は、本書を要チェックや‼