しくじり先生まとめ 無類のマネーの虎好き、ぴこイチです。
「ノーマネーでフィニッシュです」という言葉が流行りましたね。
その番組当時の大人気社長、冷徹な虎こと南原竜樹社長が、しくじり先生に登場しました!
「マネーの虎」でイキがっていたのにホームレスになった社長伝説の一部始終をみよ!
南原社長「人の上に立つ人は、これを見てしくじらないでください」
虎のプロフィール
氏名:南原竜樹(なんばらたつき)
絶頂期
24歳で自動車の輸入会社を設立
全国に20店舗の支店を持ち、年商100億円を達成
「当時、番組にやってきた若者たちを冷たい発言で切り捨てていた。
例
志願者A「フットサルコートを作りたい」
南原「おかしいんじゃない?あなた帰っていいよ」
今でもこの放送は覚えています。
これは、志願者があまりにも社長としての知識もなく、自覚もない態度だったために、全社長に呆れられていたのを覚えています。
志願者B
「新たなマッサージ店を開きたい!」
南原
「最初に数字をください。それから言い訳してください」
事業というのは数字がありきです。
数字のない事業計画は計画ではない。ということで、数字をください。
志願者C
「CSチャンネルを開きたい」
南原
「数値に値する資料ではありません」
志願者D
「ショッピングモールを開きたい」
南原
「あなたの失敗を手伝う気にはなれない」
僕が観ていた当時の記憶では、ちゃんと話を聞いたうえで、志願者のプランがメチャクチャな時だけ冷たいコメントはしていたと思います。
ただ、的を射ていて、めちゃくちゃなことを言っている印象はありませんでした。
個人的には堀之内社長の方がよっぽどめちゃくちゃ言っていたと思いますね。
どん底からの成功法則 (サンマーク文庫)
堀之内 九一郎 サンマーク出版 2007-01
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マネーの虎放送終了から1年後ホームレスに
マイナス100億円の損失を出し、ホームレス生活に。
私はこうしてノーマネーの虎になった。
「マイナス100億円でフィニッシュです」
自分の会社に愛社精神を持っているか調査結果
ある:60.1%
ない:39.9%
マイナビ学生窓口調べ(2016年3月)
あるの理由
- 自分の仕事に誇り、やりがいを感じている。
- 上司や先輩が素晴らしいから
- 従業員を大切にしてくれるから
会社が潰れかけた時に助けてくれた社員の数
4/263人
その理由は社長の社員に対する考え方にあった。
南原社長の社員に対する考え方
南原
「働いてもらっているのではなく、働かせてやっていると思っていた」
「俺が作った会社で働かせてやっている」
「給料をあげて食わせてやっている」
「本来、社長は社員に感謝しなくてはなりません。当然ですが、そんな気持ちは一切ありませんでした。最初から一切なかった。」
理想の上司の特徴
- 気軽に話しかけて気遣ってくれる
- 自由に仕事を任せてもらえて信頼してくれている
- 叱るときは厳しく叱りホメる時は喜んでホメる
- リーダーシップがある
- 最後にはキッチリ責任を取って部下を守ってくれる
「責任逃れ上司が最悪!好き&嫌いな上司部下ベスト10」情報転職サイト「リクナビNEXT」調べ
当時の南原社長は部下に対し思っていたこと
「この無能野郎どもが」
「社員は私の思い通りに動く駒」
当時は社員に対し「24365部隊」と呼んでいた。
24時間365日働け!という意味。
若林「どうしようもない」
でも芸能界も結構ブラックでしょ?
若林「いやぁ~そんなことない・・・・・・」
上司が部下に絶対やってはいけない行動ワースト3
第3位:部下を絶対に褒めない
第2位:部下の意見は間違いだと決めつける
第1位:部下のプライベートを無視して出張命令を出す
これに対し
あき竹城「イジメ!」
マシンのような社長だった。
仕事のことしか考えない自分をストイックな俺、カッコいいと思っていたとのこと。
これをリーダーズ・ハイと呼ぶそうです。
リーダーズ・ハイの一般例
- 何かあるたびに学校にクレームを入れるママ友リーダー
- 卒業したのに部活に顔を出す元部活リーダー
- 店を仕切ることに生きがいを感じているバイトリーダー
- 合コンでやたらと女性陣の終電を気にする女性リーダー
南原社長のリーダーズ・ハイによるNG行動
第3位:1人でしゃべる自分に酔いしれる
第2位:遊んでる社長をバカにする自分に酔いしれる
第1位:部下に帰りにくいオーラを出す自分に酔う
あき竹城
「ひどいわ社長。部下がいるから会社が盛り上がるわけでしょ。まったく優しさ・親切さがない。会議もちゃんとしてない。みんなで意見を言い合って会議をするわけでしょ?」
当時の会社は年商100億円。結果が伴っていただけに、部下は、社長に歯向かうことはなかったとのこと。
絶頂期の行動
①デパートの袋に現金1億円を入れて持ち歩く
②ちょうど1億円をラミネートするとデパートの袋にぴったり収まったそうです。
③イギリス首相と食事
南原社長の会社
、オートトレーディング ルフトジャパン(株)
会社概要は、自動車の輸入販売業をしていたので、イギリスの大手メーカーが主な取引先だった。
イギリス大使館ではV・VIPと呼ばれていた(Very VIP)
女王陛下にバッキンガム宮殿にも招待されたことがあるという。
④普段のゲタがわりに使っている愛車が約3,000万円
⑤プライベートジェットで海外へ
レンタル料は1時間で200万円
こんな生活をしていた南原社長を悲劇が襲う。
地獄へ転落
2005年大口の取引先の企業が破たん
イギリスに飛んで行ったら、工場は閉鎖されていたとのこと。
自動車メーカーが潰れた場合、保証も無くなるため車を買う人は通常いないという。
輸入済みの高級車が一気に鉄クズになってしまった。
これがきっかけで年商100億円からマイナス100億円まで一気に地獄へ転がり落ちることに。
輸入済みの車・自社ビルを売却し、資産を売却。会社の再建を試みた。
人生の崖っぷちで心境に変化が起きる。
社員を駒のように扱い、絶対的権力者として振る舞ってきた南原社長は、この危機に陥り心境が変わったという。
全社員を路頭に迷わせてしまうことになるため、社員を守るために全力を尽くしたそうです。
ある日、会社に行くとデスクに「男の引き際」という本が置かれていたそうです。
男の引き際 (新潮新書)
黒井 克行 新潮社 2004-06
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南原「会社を辞めろというメッセージで置いてくれたんだろうと思います。
ただ、この時は、言葉も出ませんでした。」
「色んなことをやっても、会社の再建に追いつくほど資金はできないので、ついに私はこんな決断をしました」
社員263人全員解雇
社員全員を集め「1ヶ月で解雇する」と通達。
「この時が人生で一番辛くて・・・涙や嗚咽は出るし。本当に辛かったです。」
「しかし、車の輸入社員は一人一人がお客さんと信頼関係が結ばれていて、いわば個人のディーラーなんです。ほとんどの社員は私の会社を辞めた後も別の会社に雇われ私のもとを去っていきました」
その様子を見て私は気づきました。
「無能だと思っていた社員はみんな有能だった」
破たんから解雇までは5週間ほどだったそうです。
銀行からは借りていた30億円のお金を返してほしいと言われたり、寝ていても涙が出てくる状態で全く寝付けなかったそうです。
南原社長のどん底生活
①ネットオークションで会社の備品を売って日銭を稼ぐ
②1日1個の菓子パンでしのぐ
③求人誌で仕事探し
当時45歳だった南原社長は、ことごとく面接で断られたという。
「マネーの虎」に出ていた社長なんて使いづらいよ!
「お前が来たらお前が部長になっちゃうだろ?」
「会社を乗っ取られるんじゃないか」
などと言われたそうです。
事務所を引き払い、寝床が無くなった社長は六本木ヒルズの敷地内で野宿するも、警備員に出て行けと言われる。
その後、麻布十番のバス停のベンチで寝ていたそうです。相当辛かったようで
「あまり思い出させないでください。」とコメント。
南原社長に手を差し伸べてくれた社長
かつて南原社長が「馬鹿にしていた遊んでいる社長」が手を差し伸べてくれた。
「困っているなら手を貸しましょうか?」と言ってくれたそうです。
当時は狭い視野でその社長を馬鹿にしていたことを反省しました。
再チャレンジ
色んな人から応援されて、もう一度チャレンジすることにした社長
知り合いの会社の空きスペースを借りて人材派遣の会社を始める。
派遣会社は元手はいらないものの、人脈は必要。
小さな広告を出して面接をして口説いたり、派遣の人が足りない場合は自分自身が出向くこともあったとのこと。
あの南原社長がホテルのベッドメイクなどをしたこともあるそうです。
何よりもうれしかった出来事
這いつくばるような生活の中で、以前解雇した4人が戻ってきてくれた。
「本当にひどいことをしていたと思うんですけど、なんとか戻ってきてくれてですね・・・良かったです・・・」
涙を浮かべる南原社長
若林
「戻ってきてくれた理由は聞いたんですか?」
南原
「理由というよりも、本当に助けてくれてありがとうって感じで・・・すみません・・・」
「彼らの心意気に感謝して次のように誓いました。」
「これからはもっと社員を信頼しよう」
「自分本位の経営はやめて、みんなの意見は聞いて新たなスタートを切ろう。そう思いました。」
現在の南原社長の事業
沖縄でのレンタカー会社、人材派遣、出版業、飲食店など6つの事業を展開する会社のトップ
社員数約3000人、年商約100億円に回復!
「おかげ様で」
会場騒然
真鍋「みんなホームレスだと思って話聴いてたから!」
吉村「ボロアパートで頑張っているのかと思ってた」
会社の様子がVTRで紹介された
現在の社長に対する社員のコメント
「昔は冷徹の虎でしたからね。その時のイメージとは全然違いますね。人間的な優しさを感じる。実際、接すると感じる」
「従業員のみんなと話しに来たり、『最近どう?』とか調子を聞いてくれたり、みんな話しやすいって言っていた」
かつて社員を無能だと見下した冷徹な虎の面影はない。
笑顔で社員とコミュニケーションをとる
社員の意見を聞くようにし、6つの事業それぞれの経営を代表者に任せているとのこと。
「以前は会社の利益のために、社員を駒のように扱っていた社長。現在は、少しでもみんなが楽しく働ける職場を目指しています。」
社長にとって社員は一番の財産である。
「かつての私は千手観音方式といって、千の手を持っているから俺は大丈夫だと考えていました。それには限界があることに気づきました。いかにみんなに頑張ってもらえるかとその土俵を作るのが僕の仕事」
「今の私は、かつてのしくじりを反省し、社員を信用し、大事な仕事も極力社員に任せるようにしています。会社の利益と社員を守ることが、これが僕にとっての一番大事なことだと考えています。」
これでこの授業はフィニッシュです!
感想
もともと能力が非常に高い南原社長だからこそ這い上がれたのだと思う部分もありますが、能力があるだけではダメということが分かりますね。
社員を信頼し、コミュニケーションをとるようになってからは、同じ年商100億円でも今の方が楽しいとおっしゃっていました。
マネーの虎に出演されていた当時と比べて、表情が全然違ので、本当に楽しいのだと感じますね。
年商100億円でフィニッシュすることなく、まもなく1000億円を目指すと言っていました。
さすが南原社長。
南原社長なら本当に年商1000億円達成できるんだろうなぁ。
南原社長の教訓
大きな成功の鍵は部下を信頼する覚悟とのこと。
いかにリーダーシップのとり方が大事かわかる素晴らしい回でした。
借金100億円からの脱出---地獄の危機を乗り越える逆転発想経営術
南原 竜樹 河出書房新社 2010-12-16
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